五十肩の鍼灸【種類、原因・予防・漢方】

公開日:2019年 12月23日

更新日:2024年  5月 6日

本日は五十肩について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 五十肩とは
  • 五十肩の原因
  • 五十肩の鍼灸改善

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

五十肩とは

五十肩は、正式名称を肩関節周囲炎ともいいます。40代から60代によく見られる症状で、肩の関節のまわりで異常がおこっている整形外科の病気です。痛みを感じた年齢によって呼び方が違います。発症に男女差はありません。

 

症状は肩の痛みと動きの制限が特徴で、肩の柔軟性が失われ、動かすことが難しくなります。

 

肩が痛いといい、病院に行くと五十肩であると医師は判断しますが、一発で改善することもあります。五十肩には本物と偽物があり、偽物は一発で改善します。本物は改善の仕方をしらないとズルズル引きずり改善しているかどうかわからないということが起こります。

五十肩の原因ははっきりしていない

五十肩の正確な原因は、いまだにわかっていません。五十肩は色々な要因で起こります。

 

1.年齢

特に50代前後でよく発症します。

 

2.運動不足

肩の関節を定期的に動かさない生活を送っているとリスクが上がります。

 

3.糖尿病、甲状腺の病気

糖尿病と甲状腺の病気を持つ人は五十肩を発症しやすいと言われています。

 

4.過去の怪我

以前に肩を怪我したことのある人はその分五十肩四十肩になりやすいと言われています。

 

五十肩は、肩を構成する靭帯の中で炎症が起きることによって起こります。この炎症がなぜ起こるかはまだわかっていません。しかし、肩上腕骨、肩甲骨、鎖骨で構成されているためそこにあるたくさんの靭帯があり補強してくれています。この靭帯の中で所々で炎症が起きて痛みが強くなります。

 

この炎症が引くと靭帯内でケロイドになってしまいます。ケロイドになると厚くなってしまうと固くなって伸び縮みができないため可動性が失われてしまいます。動かしているうちにだんだん靱帯も緩んできて稼働性を取り戻していきます。

五十肩の症状

五十肩の3つの段階

  • 疼痛期

痛みが徐々に悪化します。特に夜間や安静時に痛みます。この段階では肩の動きの制限が徐々に見られ始めます。

  • 拘縮期

痛みが徐々に減少し可動性が大幅に減少します。日常生活の多くの動作に支障が出ます。特に上にあるものを取ることができなかったり背中の方に手を回せないためブラジャーのホックが止められなかったりするなど、あらゆる場面で支障が出ます。

  • 解凍期

痛みが少なくなって動きが改善されていきます。回復過程は数ヶ月から数年かかることがあります。

五十肩には本物と偽物がある

肩が痛く五十肩と判断された場合、病院側からすれば偽物でも本物でも行うことは一緒で、様子を見てみようということで終わってしまうことが多いです。

本物と偽物の見分け方

本物の場合、座った状態でバンザイをした時肩甲骨が一緒に動いてしまいます。

 

原因は靭帯の炎症のため、靭帯が動いた時点で痛みが出ます。痛みを軽減しようとして肩甲骨から一緒に上げようとします。左右で比べればわかります。バンザイすると明らかに肩から上がってしまう場合は本物の五十肩です。

 

肩は痛くてもバンザイができる場合は偽物です。マッサージに行ったり鍼に行ったりすることで一発で改善します。

五十肩の改善方法は冷やしてアッパーカットを行うこと

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本物に該当する場合の初期対応は、肩を思いっきり冷やすことです。靭帯の至る所で炎症が起き、痛みがどんどん強くなっていくためこの炎症を早く引かせることが大事です。

 

ステロイドを打って強制的に止める方法もありますが、ステロイドを打ちすぎると靭帯が細くなり改善した後も少しの動きで肩の部分断裂や完全断裂する人が多いです。

 

ステロイドは、病院でも回数制限を設けていることが多く、打ちすぎない方が予後が良いため3回までがおすすめです。自分で行う場合は氷嚢でとにかく炎症を引かせましょう。

 

痛みが強い時期を乗り越えると徐々に関節が硬くなります。炎症がひき、再生し、腱が厚くなるため、痛みがある程度なくなった時点でアッパーカットを行いますボクシングのアッパーの練習をして肩が耳までくっつくようになると、真横、真後ろに動くことができるようになります。

 

バンザイできない状態では肩は真横や真後ろには動くことができません。靭帯の構造上の問題があって無理矢理真横に上げていたり真後ろに行こうとすると痛みが強くなってまた炎症を起こしてリハビリをしている人が多くいます。

 

この症状は痛いと思った時点でまた炎症が発生しているため俯瞰してみるとなかなか改善しません。

 

アメリカの五十肩の改善方法でステロイドを打って思いっきり肩を上げる方法がありますが、それを行った人が悪化して当院に来ることも多いです。

改善方法のポイント

炎症を引かせてアッパーカットの動きをすることをお勧めします。

 

腕が耳にくっつくくらいに可動性を出さないと真横も真後ろも行かないため、どんどんバンザイをして耳にくっつけるように頑張って欲しいです。

 

その間も痛いと感じる場合は冷やしましょう。物を取ろうとして痛みが出た時点でまた炎症が始まるため、痛みが出たら冷やして無理をしないことが大事です。

 

病院でリハビリを長い間行っている人がいますが、リハビリを行って肩が痛いと感じるとまた痛みが強くなりなかなか改善しません。五十肩は痛みとリハビリの適切な塩梅が必要なのです。そのことを理解せずに動かしている人には、痛い状態で1〜2年もリハビリを行っている人もいます。

 

五十肩はきちんと改善をすれば半年で改善します。悪化させて良くして悪化させて良くしてということで改善に時間がかかっている人もいます。五十肩の改善には、痛みが極端に出ないように生活しながら動かすことが大事です。

 

三角筋を動かさないようにする場合は危険です。硬結肩といい炎症で厚くなった靭帯が完全に固まって可動域が回復しなくなりリカバリーが不可能になってしまうため、痛いなりに動かすことが重要です。

 

アッパーして動かしているうちに耳までつくようになります。そこまでいけば少しずつ真横真後ろにもいくようになります。

 

筋肉をほぐすことも良いですが、靭帯が原因のため周りの筋肉をほぐして楽になった気になることは間違いです。靭帯に対してどうアプローチをするかが大事なのです。

五十肩の鍼灸は、トリガーポイントと血流改善

筋肉のコリをできるだけ無くすことが大事

五十肩の鍼灸の目的は、関節まわりの筋肉をやわらかくすることで、肩関節の可動域をひろげることです。肩関節の内部にある関節包は衝撃吸収材の役割をします。

 

この関節包の炎症が肩の痛みを生みます。関節包の炎症症状をひかせます。

肩関節の痛みは、全身の筋バランスからくることもあります。当院では全身のバランスを整えるために骨格矯正もおこないます。五十肩の痛みで寝つけない人も多く、睡眠時間が短いことでカラダの回復がおそくなります。

 

痛みをなるべくはやく鎮めて、肩関節のうごきも改善させます。五十肩の発症者の数128名のうち、完全な改善・良好あわせて101名で、回復率は80パーセント以上です。五十肩は2~10回の鍼灸で改善されます。

五十肩に効果的なツボ

肩井

臀臑

肩髃

・中府

・陽池

肩井

肩井は、肩にある井戸のようにエネルギーが出るという意味のツボです。肩こりの特効のツボとも言われています。

 

肩井には肩周りの血行を良くする効果がありますが、肩周りだけではなく全身の血行を良くする効果もあります。そのため、冷え性や首や肩のこり、頭痛などに効果的です。

臀臑

臀臑の臀は肘から上の上腕外側部という意味があり、臑は柔らかい肉がたくさんある場所という意味があります。

 

臀臑は、五十肩や四十肩だけではなく、肩こりや首こりや手に見られる神経痛の改善にも効果的です。他にも、腕の老廃物を流すことで脂肪燃焼の効果も期待できます。

肩髃

肩髃には、肩先や肩の前部にある骨という意味があります。肩関節の周りに現れる症状に効果的で、四十肩や五十肩などの改善が期待できるツボです。

 

首や肩周りに現れる症状にも効果的で、肩こりや関節リウマチなどにも使われます。

ツボの位置と押し方

肩井

肩井は、首のつけ根と肩先を結ぶ線の中央にあります。

 

押し方は、押すツボと反対の手を肩に乗せて指の腹で揉みながら押します。こぶしで軽くたたいて刺激をする方法もお勧めです。

 

ただし、急激に強い刺激を与えると脳貧血が起きる可能性もあります。気持ち良いと感じられるほどの力で、優しく押したりたたいたりするようにしましょう。

臀臑

臀臑は、腕の付け根の三角筋の終わりにあります。

 

押し方は、人差し指と中指の腹で軽く揉みながら押します。ツボを押しているとき、合わせて首をゆっくり回すことでより五十肩の改善に効果があります。

肩髃

肩髃は、肩の先端にあるツボです。腕を水平に上げた時に肩関節にできる前側のくぼみにあります。

 

押すときは、気持ち良い程度の力で押しましょう。

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