聴覚過敏の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2024年 11月13日

更新日:2024年 11月20日

本日は聴覚過敏について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 嗅覚過敏とは
  • 嗅覚過敏の原因
  • 嗅覚過敏の症状
  • 嗅覚過敏の改善方法
  • 嗅覚過敏のまとめ

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

聴覚過敏は、特定の音に対してとても敏感に反応してしまう

聴覚過敏は一般的には問題ないとされる音の大きさや種類に対して過敏に反応してしまう状態のことです。一般的な音が耐えられないほど不快に感じたり特定の音が非常に不快に感じたりすることがあります。通常の聴覚とは異なり、不快感や痛みを伴う場合があります。

 

ほとんどの人は突然大きな音が聞こえたりしたとき、一瞬注意は払いますが深く気に留めることはありませんが、感覚過敏のある人はそれができません。多くの人が無視できるような状況や刺激を無視できず過敏に反応してしまうのです。

 

聴覚は、同じ音であっても人それぞれ異なる感じ方をしています。聴覚過敏では、他の人が気にしないような特定の音、大きな音などに対して、過敏に反応したり不安を感じたりするのです。

耳の機能、脳の機能、ストレスなどの3つが関係している

聴覚過敏症の原因は、はっきりとは分かっていませんが、脳の中で音を感じる部分が敏感になってしまうことが1つの原因であると考えられています。耳や神経への物理的なダメージによって敏感になる場合とストレスや精神疾患に敏感になる場合があります。

 

また、聴覚過敏の発症にはメニエール病や顔面神経麻痺などの病気が関わっていることもあります。

聴覚過敏の原因は、脳の機能、耳の機能、ストレスの3つから考えられます。

 

・脳の機能

発達障害やてんかん、片頭痛などがある場合に発生が見られやすいです。特に自閉スペクトラム症、注意欠如多動症A D H Dなど発達障害がある人は聴覚過敏を持ちやすいと言われています。この場合の原因は特定されていません。

てんかん、片頭痛は脳の神経細胞が過敏になってしまい、必要の音の聞き分けが難しくなることで起こります。脳過敏症候群は片頭痛の慢性化によって起きるとと言われています。頭痛後脳過敏症という症状があるくらい脳過敏症はポピュラーな症状です。

 

・耳の機能

耳の機能では、耳小骨筋の反射異常と内耳の反応異常が関係しています。

耳小骨筋の反射異常は、大きな音が耳に入ると耳の中にある筋肉が収縮し、音の大きさを調節していますが、このシステムが働かない場合に聴覚過敏が起こります。耳小骨筋は顔面神経に支配されているため、顔面神経麻痺が起きた際に起こります。

内耳の反応異常は、低下した聴力をカバーするために音を脳に伝える内耳の細胞の働きに異常が起きてしまい聴覚過敏が起こります。

 

・ストレス

ストレスや不安は聴覚に限らず多くの感覚過敏状態と関連すると言われています。体調が悪い時に不安でドキドキしている場合などは特に注意が必要です。無調整耳鳴りといい、聴力に問題はないにも関わらず耳鳴りが起きることがあります。ストレスや自律神経が原因で血行が悪くなるとこのような状態が現れることがあるのです。

耳小骨は人間の耳に存在する3つの小さな骨

聴覚に歪みを感じる場合は内耳の鍋牛の障害が疑われます。聴覚過敏は適切な聴覚刺激に対して過度に反応する状態を示しています。この状態には耳小骨が関連しています。

 

耳小骨は人間の耳に存在する3つの小さな骨で、それぞれツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨と言われています。

 

耳小骨は中耳に位置し、一連のレバーとして働いて音波を外耳から内耳に伝えています。具体的にはツチ骨が鼓膜からの振動を受け取ってそれをキヌタ骨に伝え、キヌタ骨がその振動をアブミ骨に伝え、アブミ骨がその振動を内耳の液体に伝達します。

 

小骨は音波を効率よく内耳に伝達する役割を果たしており、聴覚を可能にしているのです。そのため、これらの骨が傷ついたり機能を失ったりすると難聴や聴覚過敏の原因になることがあります。

アブミ骨筋性耳鳴り

聴覚過敏を理解する上で重要なのがアブミ骨筋性耳鳴りです。アブミ骨筋性耳鳴りは顔面神経麻痺の後遺症として発生する特殊なタイプの耳鳴りで、神経が再生する時に顔面の表情筋とアブミ骨筋の神経繊維が間違った経路(過誤支配)を形成することで生じます。

 

顔面神経麻痺があった後に神経が再生する中で顔を動かす神経と耳の中を調整する神経が間違って再生してしまうことで恐ろしい結果を生んでしまうのです。この事象が発生してしまうと顔の表情筋を動かす神経信号がアブミ骨に伝達されます。

 

アブミ骨筋が過剰に動いて運動の振動が内耳に伝わり、その結果耳鳴りとして感じます。この耳鳴りは顔を動かしたり目を閉じたりすると生じるとことがあります。当院でも噛むと響いたり首を振ると響いたり顔の動きで耳鳴りが発生したりする現象は非常に多くみられます。

 

アブミ骨筋性耳鳴りは顔面神経麻痺から派生して起こる症状ですが、聴覚過敏と関連しています。アブミ骨筋は耳の奥にあり、ちゃんと機能しないと音の調整ができなくて聴覚過敏になってしまうのです。

 

鍼灸で聴覚過敏が改善することは実際あります。当院では、聴覚過敏はアブミ骨筋の機能が正常に戻ることで回復できると考えています。

聴覚過敏を鍼灸で改善するときには、顔面神経とアブミ骨筋の正常化を狙います。顔面神経の通り道が影響を受けることでアブミ骨筋の働きが鈍くなり、鼓膜の振動を内耳に伝えやすくなってしまい聴覚過敏を起こすという想定のもと施術を行います。

 

鍼で顔面神経の正常化と顔面神経の通り道を促すことでアブミ骨筋の機能を正常化させます。アブミ骨筋神経というものがあります。この神経は、顔面神経がアブミ骨筋に到達する前に分岐している神経です。

 

アブミ骨筋神経を狙ってアブミ骨筋の誤った収縮を減少させるように鍼で狙っていきます。アブミ骨筋に影響を与える際、後耳介動脈アブミ骨筋枝を狙うことがあります。耳に影響を送る後耳介動脈を狙うことで血流を改善するのです。血流の改善は神経機能の正常化し、筋肉の緊張を和らげることができます。

 

鼓膜の振動は耳小骨筋を経由して内耳に伝わりますが、ダイレクトに強い音を聞いて内耳に伝わってしまうと音が大きすぎてパニックを起こしてしまいます。そのため、アブミ骨筋がクッションの役割を果たして大きい音を制御しています。

 

アブミ骨筋が正常に働けば聴覚過敏は改善することがあるのです。

聴覚過敏は、聴覚がとても過敏になること

聴覚過敏は、聴覚がとても過敏になります。多くの人が聞こえないような音が聞こえたり、多くの人にとってストレスにならない音に対して苦痛を感じたりします。当院に聴覚過敏で来院される方で1番多いのは、1番多いのはスーパーの冷蔵庫の低い音が耳に響いて辛いという人です。

 

他の人に比べて音量が大きく感じたり、音が聞こえることに痛みを感じたりすることもあります。

 

周りの雑音が耳に入ることで特定の音に注意を向けることが難しくなる人もいます。ストレスを感じたりイライラしたりすることもあります。

 

しかし、聴覚過敏があってもすべての音に対して苦痛を示すわけではありません。自分が許容できる音があったり特定の好きな音があったり嫌いな音がったりします。聴覚過敏で音に対してどのような反応を示すのかは人によって違うのです。

 

日常生活でよく見られる例としては、特定の音に対して苦痛を感じる、何気ない音を異常に嫌がる、遠くの音に対して早く反応する、ざわざわしている場所が苦手などです。

聴覚過敏を悪化させる要因の1つに不眠がある

聴覚過敏の改善方法は、耳栓やイヤーマフを使って音を遮ったり、補聴器やサウンドジェネレーターを使って音量の認識を改善したりする方法があります。

 

聴覚過敏を悪化させる要因の1つに不眠があるため、睡眠障害がある場合は積極的に改善を行うことも必要です。不安やうつが強い場合には、向精神薬を使うこともあります。

 

不適切な思考や行動に気づき、それを修正できるように支援する方法を行うこともあります。

聴覚過敏を改善するポイント

後耳介動脈は頭部の血管耳の後ろを供給する主要な血管の1つです。この動脈は顔面動脈から分岐して耳の後ろの皮膚と組織に血液を供給しています。

 

後耳介動脈は複数の枝を分岐させアブミ骨筋に栄養を供給しています。アブミ骨筋の機能を改善し、耳鳴りの症状や聴覚過敏の症状を緩和する可能性があります。

アブミ骨筋アプローチ

耳の穴を指で触り、首の真下に下がっていくと鎖骨に当たります。ここから1本線のラインが外頸動脈です。外頸動脈から分岐する後耳介動脈を狙っていきます。

 

後耳介動脈の真ん中あたりから分岐して頭の後方の耳の後ろまで通っているため、ここを一生懸命ほぐしましょう。

 

その時に首の後ろの茎状突起にある顔面神経が出るところときはほぐしましょう。顔面神経と後耳介動脈を一緒にほぐしていくのです。

 

耳の穴から下に下がり首の下の方をゆっくり刺激します。首の横側をほぐして外頸動脈をゆっくりほぐしていき、後耳介動脈を狙って首の後ろをゆっくりほぐしていき、耳の後ろを刺激していきます。これを5回繰り返しましょう。

 

強くしすぎると音が強くなる場合もあるため、ほどほどにすること、辛くなったらすぐに止めることが大事です。

 

繰り返して顔面神経と後耳介動脈のアブミ骨筋枝を狙い、その際にビタミンB12とタンパク質を摂取しましょう。筋肉と神経を再生させる栄養素を必ず摂取することも大事です。

人の声や言葉が苦手な子供に対しての接し方

人の声や言葉が苦手な子供に対しては、大人が話し方に注意する必要があります。落ち着いた声で話しかけたり視覚的な情報も与えたりしてみましょう。

 

聴覚過敏がある子供は特定の人の話し声や特定の高さの音が苦手なことがあるため、音の高さやスピード、テンポなどを変えて聞こえ方を工夫することが効果的な場合があります。また視覚的な情報はストレスや不安を減らすために有効なこともあります。

 

子供が安心できるようなお気に入りのグッズを持ち歩くことも対処法の1つです。ぬいぐるみや毛布などお気に入りのものを持ち歩いて不安な状況でもリラックスできる環境を作りましょう。

聴覚過敏に効果的なツボ

瘈脈

耳門

尺沢

瘈脈

瘈脈は、耳のまわりの血行を促進する効果があります。そのため、顔の浮腫、めまい、耳鳴り、立ちくらみ、頭痛などに効果を発揮します。

 

ストレスが過剰になると、耳の裏が詰まったように硬くなって閉塞感を感じることがあります。そのような時に刺激をすることで耳の不調を改善する効果があります。

耳門

耳門は耳鳴りや難聴に効果的なツボです。刺激をすることで、耳の周りの血流をよくしてくれます。耳の周りの血流が良くなると聴覚機能にも良い影響を与えます。

 

リラックスにもつながるため、聴覚過敏にも効果が期待できます。

尺沢

尺沢は、高ぶった気持ちをクールダウンしてくれる効果があります。そのため、音による過剰な刺激で気が高ぶってしまう時に効果を発揮します。

 

他にも、咳などの風邪の症状、肩や腕の痛みなどに効果的です。

ツボの位置と押し方

瘈脈

瘈脈は、耳の裏側にあるツボで、耳たぶ下端のすぐ後ろのくぼみにあります。骨に触れるところのすぐ下を人差し指か中指の腹などで刺激しましょう。

 

こぶしを作ってツボのあたりを押して刺激する方法もオススメです。

耳門

耳門は、耳の前側にある小さな出っ張りのすぐ上にあるツボです。

 

押すときは親指で軽く押しましょう。リラックスした状態で刺激することがおすすめのため、押しながらゆっくり深呼吸をしましょう。

尺沢

尺沢は肘を曲げた時にできる内側のシワの上にあり、シワの中央から指約2本分親指側に進んだかたい腱の外側にあります。

 

押すときは親指で押しましょう。 お灸で温たりお風呂の中で刺激したりすることもおすすめです。

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